
ここ数ヶ月で再び50ドルを超え、上昇傾向のWTI原油。トランプ政権によって、アメリカ保護主義に動くことで国内の雇用が促進によって、石油(原油)の消費も一緒に伸び、再び、原油価格が100ドルを超えるような上昇することも考えられます。そこで今回は個人が原油に投資するなら一番効率的な投資先を解説します。
原油とは?
ドロドロとした黒い液体で石油製品の元となるものです。一般的に「石油」と呼ばれていますが石油製品の総称で使われており、液体の「ガソリン」「灯油」「軽油(ディーゼル)」「重油」「オイル(潤滑油)」「アスファルト」など、石油と原油は区別されているものになります。原油はサウジアラビアやイラクで採掘され、パイプラインで港まで運ばれ、そこから石油タンカーで日本に輸入されます。単位は「バレル」という太目の樽を意味する言葉で過去に樽を使用していた名残からバレルという単位が使われています。1バレル=159リットル弱です。
WTI原油のWTIとは、ウエスト・テキサス・インターミディエイトの頭文字を取ったものです。テキサス州とその周辺で採掘されている原油を指しており、原油価格の指標として昔から使用されています。WTI原油の受け渡し場所はオクラホマ州のクッシングという地域で行われており、その地域の原油在庫は重要な意味を持っています。
原油価格が変動する主な要因
- 産油国と需給バランス
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産油国として有名なサウジアラビアやイラン、イラクといった主要産油国12ヵ国が加盟しているOPEC(石油輸出国機構)は、原油の採掘量(生産量)を状況に応じて増産・減産などの生産量の調整をすることで、原油価格の安定を目指しています。ただし、OPECの原油生産量は世界シェアで4割程度ですので、OPEC以外の産油国(アメリカやロシア)が自国の利益を優先するために生産量の調整をすることで、需給バランスが崩れ、原油価格の乱高下なんてこともあります。
順位 国名 生産量(バレル) 1 アメリカ合衆国(米国) 1,270.4万 2 サウジアラビア 1,201.4万 3 ロシア 1,098.0万 4 カナダ 438.5万 5 中華人民共和国(中国) 430.9万 6 イラク 403.1万 7 イラン 392.0万 8 アラブ首長国連邦(UAE) 390.2万 9 クウェート 309.6万 10 メキシコ 258.8万 - 日本 1.08万
- 世界の景気
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原油はあらゆる製品の原料になっているため原油価格によって消費量に大きな影響を与えます。たとえば、原油が安くなれば、石油消費の多いアメリカでは原油価格が1ドル下落することで個人消費が1%上昇するという見解もあります。
- 週間原油在庫
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原油に直接影響する統計指標として、アメリカのEIAが毎週発表している「週間原油在庫」があります。内容としてはアメリカにある原油などの在庫量を発表しています。在庫量が多ければ安くなり、少なければ高くなる傾向のある指標です。ただし、在庫量だけでなく、指標発表前の事前予想との違いも重要なポイントとなります。
原油の投資先
原油といえば先物取引のイメージが強いですが実はそれ以外にも複数の投資先が存在します。個人で投資できるものとしては3種類あり「商品先物取引」「ETF」「CFD」です。投資先ごとに、証拠金の違いや取引手数料の有無・レバレッジといった商品特性が大きく異なります。