
海外FXの場合、トレーダーとインターバンクの間にディーラーが介在しないNDD(ノーディーリングデスク)方式が一般的です。国内FXの場合、DD(ディーリングデスク)方式が一般的で、トレーダーとインターバンクの間にディーラーが入り、価格レートの調整や約定させる・させないといった部分をコントロールしています。ですが、NDD方式の場合は、ディーラーがいないため、そういった作為的な価格レートの調整や約定しにくいということがありません。
DD(ディーリングデスク)方式
DD方式の場合、トレーダーは対金融機関(インターバンク)と取引するのではなく、FX会社とトレーダーとの取引である「OTC取引(店頭取引)」になります。FX会社は一定の注文が集まらなければ金融機関へのカバー取引をせずに、自社で抱えているトレーダーの注文を相殺して処理することもあります。トレーダーの注文を金融機関に流すかどうかは、FX会社のディーラーやアルゴリズムによって決められます。DD方式では、トレーダーが負ければ負けるほど、FX会社の利益が増えていくビジネスモデルです。
メリット・デメリット
トレーダーからの注文に対して、カバー取引を行わければ、FX会社と金融機関とのやり取りで発生するスプレッドが0で済むため、ドル円0.3pipsなどといった超狭スプレッドを安定的に提供することができます。
FX会社の価格レートとカバー先の価格レートは同期していません。あくまでFX会社にとって最善の価格レートを提示しているだけですので、トレーダーから見ると不透明な価格レートの提示を受けることになります。取引量が少量・多量になる時間帯はスプレッドを拡げてFX会社のリスク軽減をしています。また、「リクオート」と呼ばれるディーラーがFX会社にとって不利な約定を弾くなんてこともあります。
主なDD方式のFX会社
FX会社名 | カバー先数 | 主なカバー先 |
---|---|---|
DMM FX | 10 | Saxo Bank A/S,OCBC Securities Private Limited,Haitong International Financial Services (Singapore) Pte. Ltd.,Effex Capital, LLC,Lucid Markets Trading Limited,AxiCorp Financial Services Pty Ltd,ゲインキャピタル・ジャパン株式会社,Squared Financial Services Limited,ADS Securities,トレイダーズ証券株式会社 |
みんなのFX | 17 | ドイツ銀行,バークレイズ銀行,シティバンクエヌエイ,ゴールドマンサックス証券,JPモルガン・チェース銀行,コメルツ銀行,サクソ銀行,セントラル短資FX,Haitong International Financial Services,AxiCorp Financial Services,ADS Securities,Forex Capital Markets,Sucden Financial,ADS Securities London,LMAX,シンプレクスFX・スマートクロス株式会社,Swissquote Bank SA |
外為どっとコム | 21 | シティバンク エヌ・エイ,野村證券株式会社,JPモルガン・チェース銀行,モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド,モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー,香港上海銀行 香港本店,バンク・オブ・アメリカ エヌ・エイ,ロイヤルバンクオブスコットランド,ノムラ・インターナショナル・ピーエルシー,ジェイ・アーロン・アンド・カンパニー,ドイツ銀行,バークレイズ銀行東京支店,ユービーエス・エイ・ジー,コメルツ銀行,BNPパリバ,ルーシッド・マーケッツ,株式会社三井住友銀行,株式会社三菱東京UFJ銀行,株式会社みずほ銀行,イーフェックスキャピタルエルエルシー,FXCMジャパン証券株式会社 |
NDD(ノーディーリングデスク)方式
NDD方式の場合は、FX会社はあくまでトレーダーとインターバンク(金融機関)とをつなぐための存在になります。FX会社は複数の金融機関(銀行や証券会社)と契約し、カバー先として使用します。カバー先から提示される価格レートの中から最良のbidとaskを探し出し、FX会社は利益(スプレッド)を上乗せし、トレーダーに価格レートを提示します。NDD方式では、トレーダーの取引量が増えるほど、FX会社の利益も増えるため、不透明な価格レートの提示がされにくい仕組みになっています。
メリット・デメリット
FX会社はトレーダーの取引量を増やすことでFX会社の利益も増えるため、不透明な価格レートの提示や不利な約定が発生しにくいです。トレーダーとFXとで「利益相反」が起こらないため、スキャルピングや自動売買といったことも問題なく行えます。
アルゴリズムやディーラーが介在しないため、スプレッドが拡がったり・狭くなったりを繰り返します。カバー先の価格レートの提示によってスプレッドが拡がるか・狭くなるかは変わってきます。また、カバー先が約定するかしないかを判断するのでDD方式と同様に約定拒否が起こることがあります。ただし、NDD方式であれば、自分だけが不利になることはないため、不透明な印象はあまり受けません。
主なNDD方式のFX会社
FX会社名 | カバー先数 | 主なカバー先 |
---|---|---|
AXIORY | 10 | UBSUBS Investment Bank,Barclays BankBarclays Bank,Citi BankCiti Bank,UBSMorgan Stanley,Bank of AmericaBank of America,MACQUARIE BANKMACQUARIE BANK,JPMorgan ChaseJPMorgan Chase,NOMURA SECURITIESNOMURA SECURITIES,Deutsche BankDeutsche Bank,UBSBNP PARIBAS |
Titan FX | 12 | COMMERZBANK,JP Morgan Chase,BNP PARIBAS,UBS,HSBC,SMBC,MUFG,NOMURA,NATIXIS,CREDIT SUISSE,SEB,Morgan Stanley |
FxPro | 10 | MorganStanley、Barclays、JPMorgan、Bank of America Merrill Lynch、UBS |
TradersTrust | 7 | Barclays Bank PLC,Credit Suisse AG,UBS,Bank of America Merrill Lynch,Deutsche Bank,J.P. Morgan,BNP Paribas |
FXDD | 3 | Deutsche Bank,JP Morgan Chase,Drescher Kleinwort |
XM | 不明 | 不明 |
BigBoss | 不明 | 大手金融機関数社 |